公益法人制度改革関連3法の施行と
財団法人・辛酉会の特例民法法人への移行に当たって

平成20年12月 1日
財団法人・辛酉会
職員各位
財団法人 辛酉会
理事長 吉永 馨
  1. 公益法人制度改革に関する新3法律が、12月1日付で施行されたこと。
  2. これに伴い、財団法人・辛酉会は、特例民法法人へ移行したが、名称・呼称は、これまで通り、財団法人・辛酉会として当分の間は存続すること。
  3. 辛酉会と職員各位との雇用関係には一切の変更は生じないこと。

財団法人・辛酉会の売店、食堂、調剤薬局、駐車場整理業務、タリーズコーヒー店等各部門で日頃働かれている全職員の皆さん、真心のこもった勤務本当にご苦労様です。

さて、既にご案内の通り、本日12月 1日を以て、政府が推進してきた公益法人制度改革関連3法(*)が施行(しこう。「せこう」とも言う)されました。これに伴い、民法第34条(**)により設置された財団法人・辛酉会は、昨日11月30日を以て表向きは87年の歴史に幕を閉じ、本日12月 1日以降は関連法令により「特例民法法人」へ移行します。一方、名称・呼称等は特例措置によりこれまで通り財団法人・辛酉会として存続しますが、新3法に基づく所要の手続きを取らない場合は、5年後の平成25年11月30日を以て解散(又は、消滅)したものとみなされることになります。

*関連3法とは?
1)一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(344条で構成)
2)公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(66条で構成)
3)一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(123条で構成)、の3法を関連3法と言い合計533条で構成されている。
* 民法第34条?
1)明治29年の民法の成立以来約110年余に亘り、公益法人設立の根拠となっていた。民法・総則の第2章に「法人」と位置付けられ57条で構成されていた。
2)公益法人制度関連新3法施行により、公益法人の直接的な根拠法としての意義を失い、従来の法人関連条文の大半が削除され、形を変えて5条のみが残った。

ところで、公益法人制度改革の要となる関連新3法は、去る、平成18年6月に公布(公けにすること)されたが、政府が推進した今日の制度改革の最大の目的は、110余年前に制定された民法に基礎を置く法人制度が時代の流れ、即ち、官から民へ、或いは多くの規制緩和(きせいかんわ)に合致しにくくなった事にあるとされております。

即ち、1)法人設立の許認可、及び、2)公益性の認定(判定)の両方を同一の監督官庁(文部科学省或いは宮城県等)が担う(になう)ことに無理がある。そこで、1)法人設立の基準、及び、2)公益性の認定を一度抜本的に整理し、民間的思考・発想で、「公益認定等委員会」(政府の機関で事務局は内閣府に置かれている)が公益認定等の判断をする、その方が、弾力的、かつ、より公益法人運営が期待出来よう、と考えた結論であります。

その結果、現在、約25,000ある社団法人、財団法人(国・各省庁大臣認可と都道府県知事認可の合計)の事業内容、新たに行おうとしている事業計画内容を現在の監督官庁の意見を参考としつつ、公益認定等委員会が公益性の強い法人は公益法人とし税制上の優遇措置も考慮するが、公益と言うより、むしろ、収益事業に重みのある事業展開を行っている法人については一般法人とし、闊達(かったつ)な事業を行う事により社会貢献を期待する方が時宜に適っているのではないか、即ち、法人が行う事業内容の公益性の有無、強弱により公益法人あるいは一般法人として認可(許可)しようと言うのが大きな狙いであります。

財団法人・辛酉会は、今から87年前、多くの病院財団が文部大臣認可を受ける中にあって内務大臣(戦後は宮城県へ移管された)認可を得、大正、昭和の戦前・戦後、そして平成と東北大学病院と共に歩み今日に至っております。しかし、辛酉会を取り巻く環境にも変化が生じておりますが、患者支援、医学生支援、医学研究者支援と言う財団の根幹は今でも深く根ざしているものと考えております。

辛酉会としては、これまでも監督官庁である宮城県の指導を得つつ内閣府の日々のホームページを参考にしながら、また、理事会、評議員会、係長会議等で関連新3法対策を検討してきたところであります。しかし、新3法が施行された今、法体系の一部は不明であります。従って、先を急ぐ余り、取り返しのつかない事態に陥ってはなりません。今後は、監督官庁である宮城県とより密接な意見交換を行い、また、同じ環境におかれている他の国立大学病院財団との意思疎通を図り、更に、大学病院当局の指導・助言を踏まえつつ理事会において一層深化した議論を重ね、遺漏(いろう)無いよう対処し、公益法人制度改革の方向と現実に乖離(かいり)がないよう対処して参る所存であります。

ここまで述べて来ると、何となく公益法人を目指したいとの考えにも一理ありましょう。しかし、内閣府・公益認定等委員会委員長の池田守男さんは、11月21日付読売新聞紙上で「制約を受けず、自由に事業活動が出来る一般法人を考えてもいい。公益法人と一般法人でどちらが上と言うことでもない。一般法人でも、公益活動を大いに行うことを期待する」とコメントしております。この度の公益法人制度改革の中枢におられる政府の最高の当事者の発言だけに傾聴(けいちょう)に値すると思います。

終わりに、辛酉会を取り巻く法律事項に大きな変更が生じることになりますが、しかし、辛酉会と職員各位との雇用関係に何ら変化は生じません。従って、安心して日頃の職務に専念して下さい。しかしながら、辛酉会の各店舗等辛酉会の第一線を担っている皆さん一人ひとりから、知恵や意見を求めることが今後は多々あるかと思います。その折は、再生辛酉会の一層の発展の為、忌憚(きたん)ないアイデア、意見、改善点等どしどしお寄せ下さることをお願いし、公益法人制度改革関連3法の施行、及び、特例民法法人への移行に当たっての挨拶と致します。